犬がイイ人。 >> シェットランド・シープドッグ(シェルティ)

シェットランド・シープドッグ(シェルティ)

シェットランド・シープドッグ(シェルティ)は、名前だけだとまだ馴染みがないかもしれません。「名犬ラッシー」に出てきたコリー種というとすぐに解ると思います。とても賢く、繊細さも備えた犬です。毛がふわふわして、牧羊犬としても、愛玩犬としても親しまれてきました。

シェットランド・シープドッグの基礎知識

シェットランド・シープドッグの歴史

シェットランド・シープドッグはイギリスのスコットランド諸島に生まれました。シェットランド諸島はとても寒く、厳しい地域です。そこに住む牛や馬、羊といった動物達は、体温の温存のために、体高が低くなりました。

1800年代、牧羊犬としての能力を求めるだけでなく、膝に乗せておけるペットとしてきれいな犬を求めるようになった説と、北欧の犬やスコットランドの犬と混ざっていくうちに、愛犬家の目にとまり、ペットとして固定化された説があります。いずれにしても小さくてきれいな犬が求められました。そのため、この犬にはポメラニアンやヤッキー、スコットランド・コリー、パピヨンなどの血が混ざっていると言われています。

1908年、「シェットランド・コリークラブ」が結成され、スタンダードを制定する段階に入りました。しかし、コリーのブリーダーから反発を受けたため、「コリー」を外し、1909年、「スコティッシュ・シェットランド・シープドッグ」と名前に変更しました。スコットランド諸島では「シェットランド・コリー」と呼ばれているのも、この犬の発祥の地ということが解ります。

日本では、戦後、アメリカから輸入され、「名犬ラッシー」という映画で注目を浴びました。

一時期、乱繁殖により、神経質で臆病な性格になり、関節系の遺伝病などを抱えるようになってしまいましたが、近年はJKC&AKC. CH KENCHERRY’S KEEP TOP(日本とアメリカのケンネルクラブのチャンピオン)を獲得するなど、本来の優しい性格の犬が復活してきています。

「シェルティ」「シェルティー」「シェットランド・シープドック」などと呼ばれています。牧羊犬の仲間には、ボーダー・コリー、オーストラリアン・キャトル・ドッグ、オーストラリアン・ケルピーなどがいます。

シェットランド・シープドッグの特徴

誕生国:イギリス(スコットランド諸島)

種類:ハーディンググループ

外見的特徴:イギリスタイプとアメリカタイプがあります。イギリスタイプは小柄で華奢な体をしていて、骨が細く、がっしりとしていません。内容重視の犬作りをしています。アメリカタイプは、丸みのある鼻をして、足は安定感があります。頸が長く、見た目に美しい犬が多いです。日本ではアメリカタイプが多いです。

体高:オス、メスともに33cm~40.6cm

体重:オス、メスともに6kg~7.3kg

性格:優しく、辛抱強く、従順

育て方:シェットランド・シープドッグは、走る物を吠えて追いかける本能があるため、人が大勢いる場所や乗り物に慣らしておきましょう。運動はバリエーションをつけます。ブラッシングは毎日します。シャンプーは月に1~2回行います。室外が向いていますが、人といることが好きなため、室内で飼うこともできます。食事はドライフードを中心に、栄養バランスを考えた混合食が一般的です。

かかりやすい病気:眼疾患、股関節形成不全、関節疾患、膀胱腫瘍、鼻腔内腫瘍、腸閉塞

必要な検査:関節検査、眼科検査

注意すること:フィラリア予防の際、イベルメクチンという薬を投与すると、命に関わることになります。マール(黒の反転や縞模様の入った青みがかった灰色の毛)同士の交配は、遺伝的に問題のある血統が生まれやすいので注意が必要です。

寿命:12歳~14歳

シェットランド・シープドッグのスタンダード

スタンダードとは、シェルティの研究と向上、発展のために定められた基準のようなものです。

全体的な容貌:シェルティは、小型で敏捷な作業犬です。頑健でなければなりません。外見は均整が取れており、つり合いが取れていなければなりません。オスはオスらしく、メスはメスらしく見えるのが望ましいです。

性格:忠実で親しみやすく、敏感です。見知らぬ人に対しては、これらの性質を示さなくても構いません。

頭部:長くて滑らかな頸、耳から鼻にかけて細くなっていなければなりません。頬は平面でなめらか、適当に丸みをもった口吻に接続しています。頭蓋及び口吻は等長で、その重心は目の内側の角になければなりません。側面から見て、頭蓋の上部の線は、口吻の上部の線に平行でなければなりませんが、はっきりとしたストップがあるために、頭蓋の上部の線は、口吻の線よりやや上に位置することになります。顎はすっきりとして力強いのが良いです。深く充分発達した下顎は、先端部で丸みを持ち、素直に鼻梁の下に達していなければなりません。歯はシザーズ・バイト(鋏のような噛み合わせ)。唇はしっかりと閉じ、上下の唇が周囲全体でぴったりと合い、しかもなめらかに適合していなければなりません。

:中等大の大きさで、色が濃く、アーモンドの形、頭蓋に対してやや斜めにつきます。濃い茶色をしています。ブルーマールは碧色、白陶色でも良いです。

:小さく柔軟で、頭蓋の上部につきます。3/4を立て、1/4を前に垂らしています。休んでいるときは、耳を後ろに畳んで頸の飾り毛の中にうずめています。

表情:頭部の輪郭の作り、耳の形、位置、動き、目の位置、形、色、これらのものが統合されて表情を形成します。生き生きとして優美、聡明、物言いたげな様子をしていなければなりません。知らない人には注意深く、控えめな表情を示さなければなりませんが、恐れた表情を示してはなりません。

:筋肉質で湾曲し、頭を誇らしげに高く上げるのに充分なだけの長さがなければなりません。

:体高に比べてやや長く、背は短いです。肩と後躯の正しい角度と幅によって形成されます。背は水平で筋肉が強く、胸は深く、肘に達します。肋骨は充分に張り、下半分は前あしや肩が自由に動けるように平らです。下腹部は少し巻き上がっています。

前躯:肩甲骨は、亀甲から肩甲関節に向かって45度の傾斜をしています。肩甲骨は亀甲部が椎骨によって隔てられています。肋張りが充分であるように、外側に傾斜しています。上膊骨は肩甲骨に対して、できるだけ直角に接続していなければなりません。肘は地面からも亀甲からも、等間隔に位置していなければなりません。前膊は、あらゆる方向から見て垂直で、筋肉に富み、なめらかで丈夫な骨を持っていなければなりません。狼爪は除去しても良いです。

:卵円形で充実し、指はよく湾曲して互いに密接しています。肉球は厚く強靭で、爪は硬く丈夫です。

後躯:腰はややアーチを描きます。おしりは次第に傾斜して終わります。座骨は脊椎に対し30度の角度、大腿部は幅広く、筋肉に富み、大腿骨は座骨に直角に接続しています。下腿骨は大腿骨に接続し、膝関節において明確な角度構成をしていなければなりません。下腿部全体の長さは少なくとも大腿骨の長さに等しく、幾分長いくらいが良いです。飛節関節はすっきりとし、良い角度で筋肉に富み、丈夫な骨と強い靭帯で構成されていなければなりません。飛節は短く、あらゆる方向から見て、地面に垂直でなければなりません。狼爪は除去します。

しっぽ:充分に長く、後肢の外側に沿って下げた場合に、尾骨の先端が飛節関節に達します。平静なとき、しっぽは、真っすぐに垂れるか、やや上向きの弧を描きます。緊張したときは、しっぽを上げますが、背の上に向かって弧を描いてはなりません。

歩様:軽快でなめらかです。推進力は後肢から出なければなりません。前後肢の正しい角度、筋肉、靭帯によって、正しく真っすぐな推進力が得られます。

サイズ:33cm~40.6cm

:ダブルコートで上毛は長く真っすぐで粗いです。下毛は短く柔らかく、密になっています。顔、耳の先端、足は短毛で、しっぽはふさふさしています。色は黒、ブルーマール、セーブル、種々の程度に白、タンの配色があります。

シェットランド・シープドッグを飼うにあたって

上手な選び方

まず、たくさんのシェルティをじっくり見て、違いを見極めることが重要です。愛玩用かショー用かで個体差があります。また、オスかメスかを考えます。オスは大きくなると、被毛が立派になり、貫禄が出ます。メスは、母犬より良い子犬を作ることができます。よって、相手選びも重要になります。メスには、どんな子犬が生まれるかという楽しみがあります。

ペットショップの他、ブリーダーから譲ってもらう、コリークラブに入会するといった方法もあります。コリークラブに入会すると、出産情報が載った会報が届きます。

コリー種は他の犬種に比べると、固定度が低いため、この犬とこの犬で必ずこう生まれる、という方式がありません。先祖帰りもあると言われています。シェルティ特有の遺伝性疾患もあります。そういった知識を身につけた上で選びましょう。

シェルティの遺伝性疾患

シェルティには遺伝性疾患があります。フォン・ウィルブランド病、家族性皮膚筋炎、甲状腺機能低下症、持発性てんかん、コリー眼異常、中心性進行性網膜萎縮、股関節形成不全、肘関節形成不全、先天性聾などです。純血種に多く見られます。

シェルティのグルーミング

まず、スプレーリンスをし、ブラッシングします。タオルでリンスを拭き取り、ひげをはさみでカットします。次にまつげ、口角のひげをカットします。リップラインも揃えるようにカットします。次に耳周辺をカットします。耳の形をカバーするように縁に沿ってカットし、すきばさみで耳の中のいらない毛をカットし、耳の外側もカットします。スカルの入っている犬は、すきばさみで余分な毛をカットします。バランスを見て揃えます。爪を短く切ります。次に足周りを揃えるように切ります。後ろ足周辺もすきばさみで自然になるように仕上げます。次に白い被毛を引き立てるように、コレステロール・コンディショナーをつけ、ブラシで寝かします。余分なパウダーを取ります。お尻の毛量が多い犬はすきばさみでカットします。

最適な環境

牧羊犬として活躍していたため、神経質になったり、むだ吠えをすることがあるかもしれません。おおらかな人となら上手くいきそうです。

最近、シェルティには分離不安という心の病気が増えています。飼い主が不在の時に、むだ吠え、遠吠え、破壊行動、違う場所への排泄行為などが見られます。これは、飼い主との愛着関係が原因で、いつも飼い主と行動している場合に見られます。ドアを閉めたり開けたりして、飼い主がすぐに帰ってくるということを教えると改善されます。

シェルティはもともと忠実で賢く、陽気で社交性があります。疲れた時に癒してくれる存在としておすすめの犬です。